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小林よしのり
2018.9.26 08:54日々の出来事

新潮45、休刊の虚しさ

新潮45の休刊が決まったが、あの差別擁護号の内容は
本当に反知性だった。
特集の「野党百害」というのが、そもそも愚劣!
今の野党をただバッシングして何が生まれるのか?
今の野党を浮上させる方法論を論じるのなら意味がある。
この特集は単なる弱い者いじめである。
特に酷いのが古谷経衡で、単に政治家に馬鹿にされた
恨み節でしかない。
この特集は政権擁護のためだけに作られた企画だ。

そのあとに杉田水脈を擁護するイカレた駄文集が来る。
これは、(当事者の意見)以外は、眩暈がするくらい
駄文集で、国語への侮辱である。
こんなものを載せた編集者は良心の欠片もない。

しかし、佐伯啓思や、適菜収や、とり・みきが、
執筆の場を失ったのは残念だ。
福田和也という本物の「文芸評論家」が地道な執筆を
継続できる場でもあったのに。

雑誌が休刊するということは、当然、その分、この
国の言論・表現の領域が狭まってしまうことになる。
これほどの罪の元凶は杉田水脈であり、それを載せた
新潮45の編集長の責任はあまりにも大きい。

雑誌が売れない時代に、わしもいかに雑誌に貢献
できるかを考えなければならない。
新潮45の休刊は他人ごととは捉えられない。
残念無念の結末だった。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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